Hello、ぐちこだよ。
お・・・これはグリコだ(笑)
さて。
【元社畜が語る“ブラック企業セブンコード” ~When I was a 社畜~】
第一話・第二話ともに読んでくださいました?
今日は同じ“ブラック”でも、残りの人生に影響したかもしれない“ブラック”について語りたいと思います。
LET`S GO!!
【元社畜が語る“ブラック企業セブンコード” ~When I was a 社畜~】
~第三話 ブラック企業よりもたちの悪いリアルブラック。買付出張@アメリカ西海岸~
また西海岸かよ!!って?(笑)
めっちゃ好きやねん、西海岸(笑)
第一話でも書いたけど、ぐちこは入社後8カ月にして、貴金属・ブランド等の買取販売事業部責任者へ抜擢されたんです。
時は2011年上旬。まだ1 USドルが90円前後の円高時期だった。
貴金属・ブランド等の買取販売店のオープニング準備も着々と進み、店頭販売のブランド商品の仕入れをどうするか考えていた矢先、天からのお告げ!
「そろそろまた旅に出たいのではないか!?だったらCから始まるアメリカブランドを直接アメリカに買い付けにいってしまえ!」
それだ!!!と思い、翌日社長に直接買い付けに行くメリットを唾を飛ばしながら数十分熱弁し、二人で買い付けに行く許可をいただいた(笑)
もちろん買い付け場所に選んだのは、社員研修ぶりのLA。
今回は出張という形で行けるなんて・・・こんな素敵な会社他にない♪とこの時は心の底から思っていた。
社内で買付出張行くんだ♡と自慢していると、某退職済男性社員(以下:たこ)が「えーずるい!俺も行きたい」と冗談交じりで参加表明!
普通は、冗談で終了するはず。
しかし何かを察知したのか、社長が「じゃあ俺の代わりに行ってきなよ!」とまさかの人間からたこへ選手交代。
買付出張は研修旅行とは違い、旅費も商品の販売額に影響してしまうため、1円単位で経費を切り詰めなければいけなかった。
そのため滞在先は、性別なんか関係なしで、LAのダウンタウンにあるKから始まる格安ホテルの1室で決定。
出発当日
ぐちことたこは、たった3泊5日という短旅にも関わらず、ぐちこの家から持参した一番でかいスーツケースを各自2つずつ持って仲間に別れを告げ、出発。(ぐちこ家にはなぜか大中小のスーツケースが全部で15個くらいあるw)
1日目~LAに到着
まずは腹ごしらえ。機内食後でまだ満腹!と反対するたこの意見をシカトし、どうしても行きたかったチャイナタウンにある飲茶食べ放題の店へGO。
ぶっちゃけ、ぐちこも機内食で満腹だったが、食い意地が勝ってしまい、飲茶を無理やり押し込んだ結果、食後に全部リバース(笑)
到着日は時間的にも余裕がないので、リバース後の爽快な気分と共にサンタモニカ観光。
サンタモニカの街と海に癒され、最高の気分のままダウンタウンの格安ホテルへ。
残念ながら部屋の写真は残っちゃいないが、ドアを開けた瞬間の感想は「牢獄か?」のみ・・・
六畳くらいの部屋に、なぜか高さの違うベッドが2つ。部屋が狭すぎ、ベッドがくっ付いているので、ツインルームの意味はまったくなし。
貧乏出張2名はその晩、ぐちこのLAに住んでいる高校時代の友人と夕食を共にし、安い缶ビールを飲み、牢獄もどきの汚い部屋で寝たのであった。
2日目~ブランド品買い付けスタート
ついに買付スタート!LA市内から車で約2.5hのところにあるアウトレットモールへ。
本命のCから始まるアメリカブランドの他、GやPから始まるヨーロッパブランドも数点購入。
もちろん一箇所だけでは終われないのが買付出張。なんせ購入個数制限というものがあるので、時間の許す限りバンバン行けるモールを回らなければいけないのだ。
その後も、モール閉店ギリギリまで買い物を続け、牢獄部屋に戻ったのは深夜。
この日の食事は、昼夜モールのフードコート・・・全然良い思いできてない(笑)
3日目~NBAよりも買い付け!
自由に動けるのはこの日が最後。翌日は飛行機に乗って帰国するだけなので、この日も2日目同様、車で行けるモールに行くのみ。数十点と商品を購入していると、だんだんどんな商品を購入したかがわからなくなってきて、結局同じ商品を3つ4つと購入してしまう(笑)
最終日の夜くらい、なにか楽しい事をしたい!と初日に会った友人に、NBAのチケット購入をお願いしていたぐちことたこ。しかし意外と真面目・心配性・小心者のぐちこは商品数がまだ足りないのでは・・・NBAなんて見てらんねーと一人で買付強行。たこは呑気にNBA観戦(笑)
最終日深夜は、購入した100点以上のブランド商品をドでかいスーツケースに詰めていく。オーバーチャージを取られないよう、日本から持参した体重計で重さを量りながら詰め替えを行い、終わったのは深夜3時過ぎ・・・
あとは飛行機乗って帰国し、初買付出張が無事に終わるはずだった。
が、しかし。
ぐちことたこが機内で死んだように寝ている頃、成田空港では税関審査強化期間に突入していたのだ(笑)
ブラック体験~世の中そんなに甘くない
当時、ぐちことたこの二名は喫煙者だったため、第一優先事項は数時間ぶりの喫煙。
外に出て「ヤニくら~」と言いながらぷはぁ~とするために、一秒でも早く帰国手続きを終わらせ、荷物を取って、税関をすり抜ける事を夢見ていた☆
仮に止められ荷物開けられたとしても、婚前旅行カップルの“豪遊”で通そうぜ~とかるーく話していた。
予定通り、帰国手続き、荷物ピックアップをスイスイこなし、あとは税関のみ♡とウキウキしていたバカ二名(笑)
皆さんご存じのように、世の中そんな甘くないんですよ。
たった3泊5日の短旅2名が、どでかいスーツケース4つ持ってるって明らかに怪しいの。
澄ました顔して税関にて税関申告書とパスポートを見せた私達。
税:「荷物多いですね。うん?5日間??? ちょっと中見せてもらっていいですか?」
やばい・・・と思いながらも、拒否すればもっと怪しまれるし、拒否が通る相手でもないと思ったので、素直にスーツケースを開ける。
もう、税関のおじさんびっくり!だって中から大量のブランド品出てくるんだもん(笑)
絶対あの時思ったはず。
しめしめ、強化期間中に大物見つけてやったぜ!って。
税:「これ・・・申告しなきゃいけない量だよね?観光って言ってたけど、確実にビジネスで行ってきたよね?」と答えたくない質問がいきなり飛んでくる。
しかし、ぐちことたこは“豪遊”という合言葉を決めていたので、二人で「いや、豪遊したかったので」と何も迷うことなく返答。
税:「なるほど~そうでしたか(^^)」と言われるわけもなく、そのまままさかの別室送り(笑)
ブラック体験~恐怖の税関!まさかの別室送り
ここからがリアル地獄。
※なかなか普通は経験する機会のない事なので、ぜひ読んでおいたほうがいいですよ。
最初は2人だった税関の人間が気づけば、5名に。男性4人女性1名。
この女性は、私の荷物を確かめるために必要なのである。
ぐちことたこは自由に会話できないように、対面に座らされる。その間に税関審査官が立ちはだかる。
まずはスーツケースの中に入っているものを、すべて机の上に出される。
出てくる、出てくる!大量のブランド品100点以上(笑)
個人用に購入した衣類やお土産などもいったん全部出される。
汚れた下着等はビニール袋にいれておいたので、事前に伝えるとそれはパッと確認して終了。
大量のブランド品を目の前にまた同じ質問をされる。
税:「これ・・・申告しなきゃいけない物品だよね?観光って言ってたけど、確実にビジネスで行ってきたよね?」と。
それ以外にも、「どこの会社に勤めてるの?」「二人の本当の関係は?」「名刺持ってる?」などバンバン質問される。
「どこの会社に勤めてるの?」→これは素直に株式会社セブンコードと伝えておいた。この社名を出しても買取事業部には繋がらないようになっていたためだ。
「二人の本当の関係は?」→これは友人と少し嘘をついて答える。
「名刺持ってる?」→ぐちこは持っていなかったが、たこは持っていたため見せていた。
財布の中身まで全部見られるんだけど、ぐちこの財布の中にはこの時LAで会った友達から貰った手紙が入っていた。これはプライベートな物だから見せたくないし、見せる必要もないと断固拒否。ただ単に反抗をしたかっただけなんだが(笑)
この時すでに1~1.5時間経過。
この部屋にいる全員がもうわかっている。
これは豪遊なんかじゃない、買付だと(笑)
しかし何度聞かれても、ぐちことたこは“豪遊です”の合言葉を崩さない。
この後も同じやりとりが30分くらい続けられ、ついに税関審査官が強めに言う。
「君たちももう辛いでしょ?こんなわかりきった嘘ついて・・・」
ドラマだったら、ここで泣きながら「すみません。自分やりました・・・」と涙を流しながらクライマックスにむかうところだが、現実は違う。
もうヤニは切れてるし?時差でボロボロだし?嘘つき続けてるから口の中カラカラだし?で、正直に全部話してとにかく1秒でも早く帰りたいけど、会社と社長に迷惑かけちゃいけない(–;)と色々な事が頭の中をメリーゴーランドのごとくグルグル回るわけっすよ。
社畜達、どんだけ会社に忠実よ!?(笑)
こりゃハチ公もIKKOも驚きだわ!
ここからまた沈黙の30分間。ついにたこが動いた!
何やらぼそぼそ話したと思ったら、審査官と一緒に急に席を立ったのだ!!!!!!!
そのぼそぼそトークは私には聞こえないためもう、ぐちこ大ピンチ。
そのぐちこの心境に気付いたのか、別の審査官の一人が「お友達は水を飲みに行っただけだよ」と教えてくれた。
一人取り残され、明らかに不利な状況におかれていることに気付き、私も負けずと水分補給を希望。
さすがに一緒には行かせられないということで、たこと入れ替えで水分補給をさせてもらった。
よし。水分も補給したし、あと少し突っぱねるぞ!と気合をいれて戻ったぐちこに、たこを水分補給に連れて行った審査官が一言。
「最後に聞きます。本当に豪遊なんですか?買付とかビジネスで行ったんじゃないんですか?」
口の中が潤ったぐちこは、「はい。豪遊です。お金使ってパーっと買い物したかったんです。」と小さな胸を張り、自信を持って発言。
その発言直後、対面に座っていたたこがこちらを見ながら気付かれないように、なぜか口をパクパクさせている。
なんだなんだ?と理解不能に陥っていると「もうお友達全部話してくれましたよ。」と審査官。たこを見てみると、さっきまでパクパクしていた口はお上品に閉じられ、目を逸らしている。
・・・・・・
これこそ、本気のオーマイガッ!!!!!
私、ただのあほじゃん(笑)
水を飲みに行ったときに、たこが全部話したらしい。
もう、バレたんだからしゃーない。となり、ここからはもうこっちも開き直り。
全員がぐちこを見つめる中、「ええ、そうですよ。買付ですよ。こんなん誰だって見りゃわかりますよね?個人でこんなにブランド物買うわけないでしょ?(笑)しかもCのブランドばかり!それに同じバッグ3つとかあるしね(笑)うける~」と一人で笑いながらべしゃるべしゃる(笑)
審査官もこいつ開き直りきってる・・・と気付いたのか、「最初から正直に話していればこんなに苦しまなくて済んだんだよ?もう4時間たってるよ?」ともう笑ってしまっていた。
相手を笑いにもっていけたら、そこそここちらのペース。もうあまり真剣に怒られることはないのだ。
いったん荷物は全部没収。
翌日もう一度成田の税関申告専用の建物に行き、輸入手続きを行う事と、今後はちゃんと別送品として荷物を送る場合でも、持ち込みの場合でも自ら申告をする事というのを約束として、とりあえず初犯なのでブラックリストは免れた。
ぐちこは約束通り翌日も成田に行き、やったこともないインボイス作成でまさかの8h拘束。最後はもう何をどうやっていいのかわからなくなり、税関審査官の前で大泣きし、向こうの人の同情により解放されたのだ(笑)
そしてそれ以降の買付出張の際には、「以前一度目をつけられてますが、今回は別送品として海外からインボイスつけて発送してます!」と聞かれる前から勝手に説明し、頼まれてもないのに自らスーツケースを開け始めるという手段をとっている。
ここまですれば、税関の人ももう何も疑わないし、冷たい眼差しをくれるのみ。
最後に4時間拘束の結果を電話にて社長に伝えた時の社長の反応。
「えぇ、まじで(笑)大変だったね・・・お疲れ様・・・ ってか最初から言っちゃえばよかったのに、買付ですって。ってかさぁ、やっぱ俺持ってるよね!?(笑)」
この時はガチで思ったよ。
こいつ、いつか殺る(笑)ってね♡
やっぱ悪い事はしちゃいけないんですね。
なので、皆さんも気をつけてね!
次作はもっと楽しく温かい思い出だから、そっちも読んでね(^^)