……先輩、社長はどうしたのですか。
ん〜ちょっと分からないな。朝からずっと元気がなさそう……また病気かな。
二人は知らへんの？
何をですか？
この間、今年の『ブラック企業大賞受賞企業』が公開されたで！
映画なら『蛇いちご賞』や『Rotten Tomatoes』的なものですかね……
へー物好きが多いですね。この国もそろそろ終わりかも……
まあ、ブラック企業界の大きな行事なので、うちの社長ももちろん発表を見た。発表会で、『セブン……』って受賞会社の名前を言われる時なんて社長は大興奮で、ビクビクしながらヨダレも窓まで飛んでた……
見えなくて良かった……
でも、受賞会社の名前の後半は『コード』やなかったから、社長はショックで今のようになってしもた。
へーそうですか……
へーそうなんですね……
そやねん。ま〜それを置いといて、そろそろ年末だね。オレたちのボーナスはどうなるの？
まぁ〜確かにこっちのほうが大事ですね。
……でも社長が今のショック状態から回復できなかったら、ボーナスも給与調整も何もできないな。
うん……でも給与計算とかは自動化できますよ。
正確に社員を評価・報酬をあげることは難しいです。そして、公平に評価するよりもっと難しいこともあります。それは『評価される社員たちが全員満足できる』ことです。『あ……なんで◯◯さんより少ないの？』とか、『待ってよ！◯◯さんより△△さんのほうが頑張っているじゃない？』など、社員一人ひとりの視点が違うことにより、考えも様々あります。なのでトラブルを避けるために、多くの日本会社は給与情報を隠し、社員たちはお互いの給与情報が分かりません。これで社内のコミュニケーションがより円滑になります。
しかし、海外会社『Buffer』はこの文化をあまり好きではなさそうですね。
現在、ほぼ誰でも複数のＳＮＳを利用している時代です。BufferはＳＮＳ補佐ツールを開発する会社で、ユーザーの『ＳＮＳ疲れ』問題を解決してくれます。ユーザーの投稿が一気にいくつのＳＮＳに同時に表示できます。Bufferは全社メンバーの給与をインターネット上公開しています。
公開するだけでなく、この会社は給与の内訳・計算式などをすべて公開します。戦略と方針を決めるＣＥＯから、前線のデザイナー・アナリストまで、全員の給与の決める基準が分かります。ポジション、経験年数、特定分野の経験、仕事場所在の物価基準、株の持ち権利をいるか、家族メンバー数……細かいところまで計算します。例えば、新米iOS開発者の条件を設定して、株より給与アップを選び、そしてオフィスはロンドンにして、最後一人暮らしを書きました。年俸はなんと……$96,635ドルもあります！現在ＣＥＯのJoelさんは給与が$218,000ドル（約￥26,820,000円ぐらい）にも達します。高すぎませんか……
給与情報が公開されることはBufferの宣伝チャンスになりました。給与の計算式が公開される前に、『Bufferに入社したい！』応募が1,200通でした。しかし、年俸情報を100%透明化し、しかも誰でも試算できるようになったら、月3,000通弱の求職メールが来ました。Bufferの良い条件と福祉は魅力だと感じて、素晴らしい人材が大勢に集まります。残念な情報かもしれませんが、Bufferは100人もいない企業なので、しばらくは3,000人を採用できないでしょう。
試しますか。ここに自己評価・試算のリンクがありますよ。ホンマ！？すごっ！……え〜やだ。職種に『アイドル』がない。逆にあれば色んな意味で企業が終わるがな。わたくしたちもこのようにボーナス試算プログラムを作ったら、各自ボーナスを計算できますね。わーい〜♪
やったぜ！……あ。どうしたの〜？かれちゃん。そもそもブラック企業ってボーナスなんかあるんですか？
……
……社畜ポロシャツとか。……冬なので『シャチ・グローブ』かもしれません。…………
……もういやだ。こんな会社。
つづく
社畜の給料は社畜の給与公開～2015年11月度から★
ブラック企業の告知
毎月980円でブラック企業の秘密基地に入れるのだ。
秘密基地では新規事業での人間関係のゴタゴタ。ゲーム開発での取引先とのドタバタ苦労話。テレビ番組放送前の企画書などを公開。もちろん株式会社セブンコードの事業計画など！
時々、ブラック企業のオフィス屋上でBBQしたりしてるぜ (*ﾟ▽ﾟ*)
