(深夜、セブンコードオフィス)
……
……ラくん、どうしよう。
先輩、やはり警察を呼びましょうか。
だ、ダメ!呼んだらセブンコードは終わる!!
じゃあ、これを金庫に隠しますか。
それも無理!明日経理の人に発見されるよ……
……
……
しかし、まさか……
まさか緒方さんが社長に殺されたなんて……!
誰も予想できないよね。メッセージを見るだけで死んじゃうなんて……
先日あった台湾のニュースを思い出しました。
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インターネット、スマホの普及により、生活が便利になってきました。しかしその反面『SNS依存』、『既読スルー不安』、『ファントム・バイブレーション・シンドローム』……昔はなかった精神・脳の病気も発見されました。日常生活の一部になっているテクノロジーは諸刃の剣であります。
仕事上もそうですね。
昔は電話・ファックス・手紙・対面は連絡手段の四天王と認知されています。その後、メール、ネット電話、SNSなど多くの新手段が現れて、社員がどこでもいつでも探される存在になってしまいました。『おい、あのプロジェクトはどうだった?』、『お前まだ会社にいる?』……深夜でも休みの時間でも、SNSでお仕事の指示を飛んでくる上司も少なくありません。休みなのに休めないのは現代社会人の哀歌です。
欧米は人権意識が高くて、残業に対する制度が成熟する国も多いため、まだマシです。このコラムをずっと読んでくれた読者さんなら分かると思いますが、昔も『White File.08 – 地獄まで未読メッセージが飛んでくる』にもドイツの『反ストレス法(Anti-stress)』を紹介しましたね。一方、社員のことをよくハチやアリで例えるアジアは、『残業は当たり前だ!』という風潮があります。もちろん社員に対する扱いは欧米より酷いと考えられます。
台湾では一人は上司に『殺されました』。
被害者はアラフォーの女性で、生前メディア会社でPR職を勤めていました。彼女は仕事が終わった時間にもWhat’s App(LINEのようなチャット・アプリ)から上司の仕事の指示をもらっています。ある日、長期的ストレス状態になっていた彼女は退社する時に倒れました。そして病院に運ばれた彼女は脳卒中だと診断されて、結局病院から出ることができなく、永眠となりました。
彼女が亡くなった後、PCとスマホが徹底的に調べられました。ファイルの保存時間が深夜とか、『◯◯◯の宣伝計画書、送ってください!』や『今日のイベントのシェア、報道された記事を全部把握しておいて!』など、What’s Appのチャット記録も夜10時以降の指示が多かったと分かりました。上司からSNSの暴力は半年以上続けていました。
結局台湾労保局は彼女の件を『過労死』と裁定し、『チャットアプリ残業』で死亡してしまった初例であります。そして台湾の労働部のほうも『休み時間にLINEか仕事の指示をもらうのは残業かな?』と市民からの問い合わせを受けました。『契約の決まっている勤務時間外に仕事する義務はありません。もし上司はSNSやチャットソフト/アプリで仕事の指示を出したら、「労基法」に書いてあるガイド通りに残業代を払わなければいけませんし、残業の時間数も制限されなければいけません。』と労働部は答えました。
北市商業会理事長王応傑氏も、勤務時間が終わってからSNSで仕事関連のメッセージを社員に発送したら、残業代を払わなければいけないそうです。また、同じメディア業界から来た周さんは、『よくあるのは……上司が何か思いついた途端、すぐアイデアをチャットに投げるね。そのせいで休み時間でも死ぬほど忙しくなる。私たちも自分の家族、子どもがいるよ!』と業界の残酷さを語っています。実際脳卒中や過労死までにならなくても、企業の無理矢理な事業計画のストレスで胃潰瘍や不整脈になったケースが山ほどあります。
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……やばい。そろそろ朝になるから、早く隠さないとみんながびっくりする。
はい。すぐ車を調達します。
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……Zzz、Zzz。
うわ!ねねねねねねねね寝てただけか!
本当にネタだけですね……
……Zzz、あ~ぁ、やめてください社長!も、もう食べられません……Zzz。
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……
びっくりした。
本当にただ寝ちゃうだけならいいけどね……
つづく